シエナの聖女3-鎧を着た豚ゲクラン登場

1362年、カタリナは台所の下に小部屋をもらい修行を始めた。その年、アヴィニョンでは教皇ウルバヌス5世が選出された。フランスは、ポアティエの戦いに負けてよろしくない。教皇は別の道を模索し始める。そしてカタリナの夢に聖ドミニコが出て来たことから、彼女はドミニコ会第三会のマンテーラ会入会をめざし、苦行や瞑想に励む。

当時、マンテラーテ会は寡婦や既婚の女性しかおらず、若く美しいカタリナは何回も入会を拒否された。その頃から悪魔が彼女のもとに現れ、「ほら見ろ、修道女になって神の道を歩むなんて無理に決まってっだろ。お前は若く美しいんだから、結婚しなって、楽しいぞ」とビジョンを見せたという。しかし、1364年、17歳のとき、彼女は入会を許された。

その年、フランスではシャルル5世が戴冠した。新王は頼りなさそうだ。彼はすでに包括的税制をつくっていたが、父がロンドンで客死したので、身代金を支払わずにすんだ。財政ができたところに起用したのが傭兵あがりの守備隊長、名将ベルトラン・デュ・ゲクランである。「鎧を着た豚」と言われる怪容だったが、何のプライドもなく、英軍の長弓戦法を取り入れてナバラ王を撃破する。

アヴィニョンでは、傭兵を解雇された盗賊が闊歩していた。新王はいまいち不安、67年、教皇は遂に、ローマ帰還を決意した。待っているのはビルギッタ、そしてその年の四旬節の最後の火曜日、カタリナに重大事件が起こる.。神のご計画はオルタナティブも用意しているようだ。。

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。