百年戦争4-ロングボウの威力クレシーの戦い

1346年、休戦期間が終わり、イングランドから軍が上陸した。フランスも今回は準備をして決戦を受けることにした。両軍は8月26日、クレシーで対面した。先に待ち受けるイングランドは1万2千人、フランス軍は4万の大軍であった。フランス軍は華やかな中世装束に騎馬姿、中世の騎士姿である。対するイングランドは騎馬6千になんと弓隊6千人、しかも全員徒歩で待っていた。

中世騎士にとって歩兵は平民であり、騎士は馬に乗るのがデフォ、歩兵を見て、仏軍はこれはかき集めの平民軍だ、とバカにしたのは想像にかたくない。しか英軍はすでにウェールズ、スコットランド征服戦で、封建軍から常備軍の組織をつくっていたのである。

戦闘が開始されるや、仏軍は伝統的な騎士の突撃。しかし待ち受ける英軍の長弓攻撃が火を噴いた。英軍は、ウェールズで苦戦した長弓を組みこんでいたのだ。この新兵器はつくりが簡単であり、いちいやにれの柔軟な木でつくられていて射程が長く連射がきく。仏軍の突撃は雨あられと降る矢の餌食となっていった。この戦さで放たれた矢は50万発という。

英軍は、障害物で陣地を固めており、まだ封建騎士が抜けていない仏軍は貴族の寄せ集め軍であり、作戦もなく、華々しく突撃を繰り返すのみで王候クラスまで戦死した。騎馬を阻止された仏軍に、英軍が襲いかかり、フィリップ6世は負傷して逃げ出した。この戦いで仏軍は1万人以上が戦死した。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。