世界大戦へ23-サラエボ事件勃発

1914年6月28日、ついに世界大戦の引き金を引くオーストリア帝国大公フランツ・フェルディナンド夫妻の暗殺事件が起こる。サラエボは墺帝国が6年前に併合したボスニア=ヘルツェゴヴィナの首都で、それまでも度々暗殺事件が発生していた、またセルビアでは守護聖人聖ヴィトスの祝日を祝っていた。

暗殺を実行したのは「青年ボスニア」というアルカイダのような民族主義的狂信組織で、彼らは定職につかず、共同生活をしてボスニアのスラブ的独立を夢見て、命を捧げるつもりだった。そして「黒手組」というセルビア人テロ組織が支援し、武器を手渡していた。

大公の訪問は軍事演習の視察で、セルビア側を刺激した、またその後博物館の開館式に立ち会う予定だった、まあ無防備も甚だしい。さらにケネディのようなオープンカーで混雑した市内を走ったのだ、やれやれ。ところがメンバー7人は群衆にまぎれて爆弾を投げたが失敗する。

大公は市庁舎への歓迎式典に出席することができた。普通はその後何もしない。しかし大公夫妻はテロで負傷した市民を見舞いに病院に行こうとする。その際ルート変更が伝わらず、夫妻は市内の中心から向かうことに。そして道を間違えて停車したのが暗殺者の目の前。サラエボ事件は偶然が積み重なって起こったのだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。