1910年、ロシア出身の画家ワシリー・カンディンスキーが、コンポジションシリーズで「抽象画」の世界へ足を踏み入れた。彼はモスクワで法律学を学んでいたが、そこで展示されたモネの「積みわら」に衝撃を受け、画家の道に入った。その絵は何の絵かわからなかったが深い印象を与えたという。
そして彼は、絵画は対象から離れ、画家自身の内面を表現するものと考えるようになり、内面を色や形で表す絵画を創始するのである。そして1913年には代表作の1つである「コンポジション7」を創作する。岡本太郎ではないがこの絵は何かが爆発しているように見える。
この絵の主題は終末と最後の審判を表現したものだと言われている。彼はルドルフ・シュタイナーなどの「神智学」に影響されており、聖霊の啓示を受け、神秘的な直観を通じて神に近づくのが「純粋芸術」だと述べている。
時代はまさに第一次世界大戦の直前、実際、プロレタリア革命や汎スラブ主義、汎ゲルマン主義、シオニズムなど19世紀社会の行き詰まりを受けてさまざまなメシアニズムが百花繚乱の如く湧き上がっていたのである。カンディンスキーはロシア革命の後革命政府に一時参加する。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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