1904年4月30日からルイジアナ州買収100周年を記念してセントルイス万博が開催された。この万博は20世紀アメリカの世界進出をデモンストレーションするためのものとなり、自動車、航空技術、無線電信というアメリカが誇る先進技術が展示され、夜はイルミネーションが会場を照らした。
そしてここではなんと「人類の進歩」に貢献するアメリカを見せるために人間の展示が行われた。ネイティブなままのインディアンを見せ、との隣に文明化されたインディアンを見せたのである。戦争によって獲得したフィリピン村も同じような展示をして、文明化への戦いを合理化した。
日露戦争を開戦していた日本もそのアピールに出展した。ロシアは「黄禍論」をふりまき、世界の世論を味方につけようとしていた。日本としてはまさに「人類の進歩」近代化に積極的に進んでいる日本をアピールする必要があり、そのかいあってニューヨークタイムスから好評価を得た。
「文明化」を世界に促進するアメリカの役割というのはこの20世紀に始まり、今日に至るも変わってないといえる。日本は第二次大戦に負け、アメリカ占領を経てアメリカ文化圏に組み入れられたことでこの追随が顕著となった。人間の展示はしないが、アメリカ進歩メディアは、今もイスラム他の伝統に口出しをしている。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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