世界戦争へ5-東清鉄道建設

日本がイギリスと同盟を組むなら、かたやロシアもフランスと同盟を組んでいた。そして1901年露仏両国は、イギリスとの戦争を想定して、詳しい軍事協定を結んだ。その中にはイギリスとロシアが戦争するや、フランスは英仏海峡を封鎖するという事項もある。しかしフランスはそれをやる気はなかった。

それどころか英仏両国は接近する。1896年にはタイをめぐって両国は妥協し、さらに98年スーダンのファショダで衝突しかけた。英仏両国は、お互いのために1903年から友好関係を結ぼうとした。しかし軍事同盟となるとドイツを刺激する。それが04年4月8日に成立した英仏協商として結実することとなる。

ロシアは清の協力を得て、1897年から東清鉄道の建設を開始していた。その計画によればハルピンから旅順までを結ぶ、すでに建設は進み、このままいくと満州がロシアの勢力圏になるのは一目瞭然だった。英米はこれを警戒し、ロシア軍の満州からの撤兵を要求した。

ロシアは撤兵を引き延ばし、1903年4月18日、7項目の撤兵条件を清国に要求した、つまり撤兵後も満州の独占利権はロシアに残るということである。門徒解放を求める米日は反発し、日露の交渉も開始されたが、同時にイギリスの力を頼っての開戦論も高まってくる。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。