世界戦争へ4-イギリス日本海軍協力

日英同盟が締結される前から日英軍事協力はすすんでいた。ロシアは中国進出のために世界トップクラスの性能を持つ戦艦の建造に入っていた。これはイギリスの海上覇権の脅威だったが、イギリスはボーア戦争が厳しくなり、アジアに手がまわらない。そこで代理人として日本をかつごうとした。

日清戦争中には日本は世界で通用する軍艦は持っていなかった。が日清戦争中にも軍艦6隻が起工され、日本海海戦で活躍することになる、これらの艦は世界的な主力艦としても遜色のないものだった。そしてそれらの艦を建造したのはイギリスである。日露戦争時には152隻を有するまでになった。

日本海軍発足当初より、海軍はイギリス式であり、「見敵必殺」という艦隊決戦主義をもっていた。当初よりイギリスは顧問団を送って援助している。これに対して陸軍はドイツ式だった。欧州の対立から距離をとっていた日本はそれぞれの利点を取り入れることができた。

日英同盟の締結でイギリスの新聞は、この同盟で「ロシアといえども海上封鎖されれば中国に軍を送り込めない」と書いた。これはまさに本質を得ている。一方ドイツの新聞はイギリスは日本に火中の栗を拾わせるつもりだ、と書いた。つまり列強代理戦争だというのはわかっていたのだ。

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