ベルエポック70-万国博とアールヌーヴォー

19世紀の終わる1900年パリで5回目の万国博覧会が開催された。エッフェル塔はできており、今度の目玉は地下鉄だった。実は地下鉄の発案はフランスが最初だったが、実用化はかなり遅れた。それは国とパリ市、鉄道会社の利害、さらにパリ市民の反対があった。実際歴史の街パリの地下は何があるかわからない。

これまでの反省はせっかくパリに来たのに、観光して金を落としていってくれないということで、わずか1年間で完成させた1号線は、一応それを使って少しはパリ観光を楽しんでもらうことができた。地下鉄のことをメトロというが、それはこのパリから使われたのである。

そして地下鉄駅を飾ったのがエクトール・ギマールがデザインしたアール・ヌーヴォー様式だった。エッフェル塔も湾曲はしているが全体としては直線である。しかし今回はホントに鉄を湾曲させて飾ったのだから見物客を驚かせた。さらにミュシャのポスター、ルネ・ラリックの宝飾と、アール・ヌーヴォーはここから始まった。

またエッフェル塔にはエスカレーターが設置、1895年に始まった映画が上映され、フランスは工業技術だけではなく、芸術・デザインとの融合という面で優位性をアピールし、その後の技術エンタメにつながってゆく。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。