平壌の戦いと黄海海戦の勝利の報が届くと、大本営は旅順要塞の攻略を計画する。今までは朝鮮の領土だったがいよいよ清国領に攻め込むのだ。このため大山陸相を司令官として戦闘員2万人の第二軍を送り込む。大陸に居た第一軍は、鴨緑江を渡河して金州城を占領した。
11月21日、第二軍は東側、第二軍は弱点の背面から攻撃を開始した。戦闘中清軍弾薬庫が大爆発を起こすと、もともと戦意の低かった清軍はあっさり撤退を開始し、堅固な要塞はわずか1日で陥落、日本の戦死40名に対し、清国は戦死者4500名を出した。さらに旅順港に逃げ込んでいた北洋艦隊も降伏した。
ところがこの後旅順要塞に進軍した日本軍が旅順の民間人虐殺事件を引き起こす。司令官大山は国際戦闘条約を守るよう命令していたが、士官にまで徹底していなかった。士官の中には清人は皆殺しにすべしと命令した者もいるようである。外征で敵都市占領時に起きる悲劇である。
実は、日本は戦果を世界に広めるために欧米新聞記者に同行を許していた。そこでこの虐殺も世界に広められることとなった。特にアメリカの新聞は、日本の近代化は表面だけのことで本質野蛮であると書いた。これは日米条約の改正に大きな影響を及ぼした。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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