ムーランルージュといえばこの画家を忘れてはいけない、トゥールーズ・ロートレックである。彼は、ムーランルージュのポスターを請け負い、その芸術性の高さで今に至るも評価されている。ポスターは15世紀からあるが、印刷技術が高価だった。それがリトグラフができてから普及する。
ロートレックの前にはジュール・シェレがポスターを制作、ちょいエロの女性が登場するポスターはよく剥がされて、若い男の部屋に飾られたという、今も昔も変わりない。実際日本の浮世絵は男性女性共にプロマイドの代わりだった、その大胆な構図はロートレックに大いに影響を与えている。
ロートレックは身体障碍者で、大人になっても152㎝ほどだった。差別を受けていた彼はダンサーや娼婦など同じく差別を受けていた人に共感を持つ、彼女達はようやく同じ目線で描く画家に出会ったのである。ポスターのみならず、絵画でもリアルな姿が描かれている。
彼の描く娼婦やダンサー達を同情の気持ちで観ようとすれが「ほっといてよ」と蹴とばされかねない存在感を持っている。一方ロートレックは男達も描いているが、それは好色で猥雑で、風刺漫画以外には一度も描かれたことのない紳士の姿である。世紀末の電灯で照らされた夜はそんな姿をしている。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント