ベルエポック55-鉄と電気の第4回パリ万博

1889年のパリ万博は、フランス革命100周年記念としたため、ロシアやイギリスのような君主国は参加しなかった。しかし民間の参加は自由だったため、民間を中心に盛り上がった。前回の万博は巨額の赤字を出したため反対があったが、今回は黒字となった、もっともエッフェル塔の建設はエッフェル社が出したのだが。

エッフェル塔のように、機械館も鋼鉄でできたアーチで建造され、鋼鉄建築のパフォーマンスが行われた。しかし新技術として目を引いたのは電気だった。電車がシャンドマルスから10分おきに出発し、入場者は会場全体を電車の中から見ることができた。さらに、会場はエジソンの発明した白熱電灯で照らされ、初めて夜間開催が可能になり、エッフェル塔は3色にライトアップされた。

夜間開催を行ったのは、1879年のウィーンのフィギュアスケートで、翌年にはアメリカで野球のナイターが始められた。電灯の発明によって、ナイトショーもできて、夜の風景はこれまでとは様変わりする。

さらにこのパリ万博では、音楽展も行われ、各種の音楽コンクールが開催された。この共和国万博の効果は抜群で、その年9月、10月の選挙で大勝し、366議席を得た。国際イベントを選挙につなげたい欲望は今も続いている。

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