次の朝、教皇インノケンティウス3世は、夢のことばかり考えていた。ふと見ると約束通りフランチェスコ達が謁見に来ていた。彼は教皇の前でも頬笑みを浮かべ「今からおとぎ話をいたします」と言った。それはある王様が貧しい女を愛し子供を生ませた話だった。
「子供が大きくなり、貧しい母は子供を父のもとに行かせました。王様は子供達を見て嬉しくなり、たくさんのごちそうを与えました。天の神様もそうしないわけはあるでしょうか?」この話に教皇も釣られて頬笑み、フランチェスコは神の使者だとわかった。そして彼らを認め、「すべての人に述べなさい。数が増えたら、もっと多くを認めましょう」と祝福した。
その場の枢機卿達はびっくり仰天だった。フランチェスコ達が出ていってから、彼らに昨夜の夢の話を語った。その夢はもしかすると教皇の不安から見たものかもしれない。しかし神のお告げとあって彼らは引きさがらざるをえなかった。
さて、所変わって再び天界「イエスちゃんグッジョブ!」「これは母上」「こうなったらアタシも一肌脱がなくっちゃ」「何をするつもりで?」「男だけじゃダメよ、物語には美しいヒロインの物語が要るのよ」「えっ!」「聖書だってアタシの話がなくっちゃ」「わ、わかりましたから」「ふふっ、フランチェスコちゃんにあこがれてる子を見つけてるのよー❤」
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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