ベルエポック42-自動車の登場

1885年、ドイツのダイムラーとベンツが別々にガソリンエンジンで走る自動車を開発した。当時は三輪車にエンジンをつけたようなもので、今日のものとはほど遠い。自動車ができる前には馬車に乗って移動していた。確かに鉄道は長距離を結んだが、駅から駅までだ。ダイムラーは鉄道の混雑に嫌気がさしていた。

しかし最初の自動車は時速20キロ程度、荷物も積めないので馬車のほうが便利である。そこでベンツ夫人のベルタは88年に息子2人と106キロの自動車旅行に挑戦、見事成功させて、自動車というものを世間に知らしめたのである。この旅行で実用の改良点を夫人が提案して、自動車は実用化に向かっていく。

ところが、自動車は高価すぎ、公道を走らせるには法整備も必要となる。そこで何と貴族や金持ちたちは、自分の持っている自動車を使ったレースを考えた。これなら人をはねる心配もない。ということでルノーやプジョー、シボレーなどの自動車メーカーができていった。

しかし1908年にフォードが有名なT型を大量生産すると自動車は工業技術の代表格となった。さらにその年ドイツは自動車保護法をつくり、本格的な自動車生産に乗り出した、これは戦争の輸送に自動車を使うためで、その補助金をもらった自動車はすぐさま徴発されて戦場に送られた、それに各国もならうのだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。