ベルエポック39-オリエント急行発車

1883年10月4日、パリからコンスタンチノープル未だにヨーロッパではこの名で呼ばれていた、へ寝台特急列車が発車したのだ、有名な「オリエント急行」である。これを発案したのはベルギー人ジョルジュ・ナゲルマケールス、彼はアメリカ訪問時に長距離豪華寝台列車に乗ってこれを発案した。

当時の旅行ブームは、1871年にエジプトツアーができている。しかしオスマンの都イスタンブールは、ヨーロッパ人の妙なエキゾチックな夢をかきたてていた。もともとナゲルマケールスは銀行家の御曹司で金はあった。しかしこの夢を政治的に応援したのは国王レオポルト2世である。

彼はヨーロッパに顔のきく立場を利用し、8カ国の鉄道局からこの特急を通過する許可を取り付けた。ナゲルマケールスはヨーロッパ中に豪華寝台列車を展開する。オスマン帝国もヨーロッパの富豪のもたらす金に期待した。何とロンドンタイムスの記者を宮殿に招いてPRしたのだ。

最初の列車に乗ったのは20人、乗車賃は召使1年分の給料に匹敵したという。それでもこの列車はまるで動く最高級ホテルという装備だった。しかし列車旅はトラブルが起こる、雪で立ち往生したときは乗客は寒さに震えた。アガサ・クリスティの名作「オリエント急行殺人事件」もそんな状況で起こっている。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。