ベルエポック50-エッフェル塔とパリ万博

1884年、フランス革命100周年を記念してパリ万国博が企画された。第三共和制では二回目の万博開催である、あまりナポレオン3世と変わりない。その目玉となったのが300mの世界一の巨大タワーを建てるという計画だった。今日なら電波を発信する理由があるが、当時はそれもない、鉄鋼建造物の傑作という理由である。

場所としては、フランス革命より数々の歴史を持つ広大なシャン・ド・マルス公園が選ばれた。そしてこの資金はパリ市の補助金の他はエッフェル自身が出し、1909年にパリ市に引き渡すまでエッフェル自身が入場料によってそれを補填することとなった。最初はエッフェルのものだったのだ。

87年1月28日に起工式が行われると、2月には著名な芸術家達による反対が新聞に掲載された。野蛮な鉄の塊が、ノートルダムやルーブル宮など、数々のパリの美しい歴史ある建造物を見下ろすというのだ。「バベルの塔」と呼ぶ者も居た、これに対しエッフェルは「近代科学の集約と傑作」と弁護した。

エッフェル塔は、パリ万博の目玉としておおいに宣伝に貢献したが、その後は思うように入場者が集まらず、1909年には解体されることが確実視された。しかし04年にここで電波を送受信することが発案され、電波塔としての役割ができた。第一次大戦におおいに活躍し、今日ではパリの象徴となっている。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。