1881年3月13日、ロシア皇帝アレクサンドル2世が暗殺された。爆弾テロである。79年「人民の意志」の委員会は、皇帝が神ではなく死ぬものだと示し、革命を誘発するために皇帝暗殺を決定し、幾度となく暗殺未遂を繰り返した。今回の暗殺は行動パターンを把握し、入念な計画を練ったものだった。
皇帝暗殺で、息子が5月27日にアレクサンドル3世として即位した。新皇帝は、保守主義を取り、父帝の改革を否定して専制国家を再確立しようとする。「人民の意志」は、新皇帝に公開状を送り、政治的自由や制憲議会開設を条件にテロ中止を提案した。が「テロリストとは交渉せず」で、さらに厳しく弾圧する。
さらに新皇帝は、地方自治組織であるゼムストヴォの弱体化を計った。ゼムストヴォの議会は地方貴族のものだったが、ゼムストヴォのもとで、農村の医療や初等教育は大きく前進した。彼らは啓蒙主義的インテリが多く、反乱の原因をつくると目をつけられて、内務省監督官のもとにおかれた。
そして新帝は専制を強め、ポーランドを含むすべての帝国の地域でロシア語教育が徹底された。そしてドイツとの同盟を嫌い、独自で軍強化を行った。「我々は敵国に包囲されている。ロシア人に友人も同盟者も必要ない。ロシアには2つの同盟者しかいない、それはロシア陸軍と海軍である」。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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