1880年、ボンにシューマン記念碑ができ、その除幕式にクララとブラームスが演奏した。旧友達が集い、シューマンの墓に献花している間、ブラームスがオーケストラを指揮した。夜には記念演奏会が開かれた。77年、ブラームスは第一番に比べるとあっさりと交響曲第二番を作曲していた。
第二番は「ブラームスの田園交響曲」と称せられたりするが、明るい優雅な曲である。第一番に比べると肩に力が入っていないというか、本来の良さが出ている。そして第一番のときのようなイデオロギー対立がなく、素直に作品は聴衆に受け入れられて評価された。
ブラームスはウィーンに、クララはフランクフルトに落ち着いてそのときでもしょっちゅう手紙を交換している。81年にはピアノ協奏曲第二番が作曲されて、好評を得た。この2番の第三楽章でピアノにチェロが結構長く絡んでくる。実はクララが16歳で書いたピアノ協奏曲がそうなのである。
クララの協奏曲の第二楽章はピアノにチェロがぴったり寄り添って2重奏を奏でる。もちろんチェロはロベルト、ブラームスはそれをこの二番で再現したのである。チェロは自身を表しているのだろう。クララが60歳を過ぎ、ブラームスが50代になろうとするとき、純愛の2重奏をつくるというのだから。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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