第4回十字軍20-説教修道士ドミニク誕生

「ドミニックニクニク♪こころーやさしく♪」これはNHKみんなの歌だが元はフランスのシスターがつくった歌だ。彼はスペイン生まれで14、5歳で大学に入った秀才だが、レコンキスタで飢餓となった貧しい人達のために貴重な写本を売り払った。

彼はすぐオスマで役職につき、王のご用でデンマークへ向かうが、その途中でトゥールーズに到着。ここで泊った民家がカタリ派で、論争をふっかけてきたが、彼は落ち着いて優しく説得し、回心させた。この体験が彼の人生を変えることとなった。

モンペリエに寄ったのはその帰り路である。オスマ司教ディエゴと3人の教皇特使の話を聞いてから彼は言った「そりゃ無理もない」。豪華な衣装と行列、威圧的な説教、それに対してカタリ派は清廉でずっと福音的だ、と。むしろ彼らのようにやらねばならない。「高い者は低くなるのです」

教皇特使は、手本を見せてくれれば従うと言った。そこでドミニコとディエゴはそこに残り、粗末な服で物乞いをしながら辻々で説教をし、人々の心を掴み、論戦にも勝っていった。身なりだけではなく、ドミニコの説教は天才的だったのだ。そしてプルイユに修道院の廃寺を見つけここを拠点とした。ドミニコ会の誕生である。

下はプルイユで異端の回心を願うドミニコに出現してロザリオを渡す聖母

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。