ロマン派の時代62-バレエ「白鳥の湖」

1877年モスクワのボリショイ劇場でロシアバレエの画期となるチャイコフスキー作曲「白鳥の湖」が初演された。バレエはもともとイタリア生まれで、ルイ14世がフランスでバレエを振興させた。そしてロマン主義のもとで、「ジゼル」や「ラ・シルフィード」という名作がつくられた。

ところが実際バレエの地位は低く、大衆の娯楽化と共に低俗なダンスが流行り、バレエは廃れていった。そこでもって貴族主義のロシアが発展させ、当時までには現代のようなクラシックバレエの技法が確立した。そしてフランスから振付師マリウス・プティパが、ロシアバレエを確立する。

チャイコフスキーに作曲を委託したのは、ボリショイの振付師レイジンゲルである。チャイコフスキーは、フランスバレエを見て感動し、あのような幻想的なバレエ曲を書いてみたいと思って引き受けた。ところが、彼の高度な音楽は振付と合わずに評判は良くなく、なんとお蔵入りになってしまった。

再チェレンジを促したのはプティパである。チャイコフスキーは今度は振付師とタッグを組み、1890年に「眠れる森の美女」を大ヒット、続けて「コッペリア」もヒットさせた。そして93年作曲家の没後公演において、この名作を再演する。これが大成功して白鳥の湖はクラシックバレエの象徴的作品となった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。