ベルエポック9-シュリーマンのトロイ発見

1873年、ドイツ人のシュリーマンがホメロスのイーリアスに書かれたトロイア遺跡の発掘に成功した。以前の彼の伝記には、トロイア戦争はフィクションだと思われていた、と書かれているが、実際はトロイア遺跡は発掘されており、資金不足からストップしていただけである。

ビジネスで資金を蓄えていたシュリーマンは考古学者からの示唆で、ピサルルクを下まで発掘して「プリアモスの財宝」を発見する。そのとき妻にネックレスを掛けて「おまえはトロイのヘレナだ」と言ったそうだからフェチはフェチのようだ。この情熱が成功に導いたのは確かだろう。

しかし発掘のシロウトだった彼は、やみくもに掘ったために遺跡を荒らしてしまい、またオスマン政府の許可なく国外に持ち出し、ベルリン名誉市民の称号と引き換えにドイツに寄贈され、発足間もないドイツ帝国の威光に花を添え、彼は国民的英雄となった。

これを契機として、ドイツも考古学的発見に力を入れ、1899年からコルドウェイがイラクで、古代メソポタミア文明を発見、これはオスマンの許可を得て運ばれて、イシュタル門の威容はベルリンで見ることができる。しかしシュリーマンの発見物はソビエト時代モスクワに運ばれた。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。