工業だけではない、南北戦争以後工業化と歩調を合わせるように、農業の機械化が始まっていた。その始まりは1869年の冷鉄製プラウ(犂)の発明である。この頑丈な犂によって耕作のスピードがあがり、また今まで耕作できないと思われていた土地も耕すことができるようになった。
それと同様にコンバインも重要である。やはり鉄製の刈取機は、最初は犂と同じく牛馬に曳かせていたが、農業の効率化に大きく貢献し、1860年代から80年代には9倍も増えた。農機具産業が生まれ、工業の進歩と共にコストダウンが行われて安くなってさらに売れていく。
もちろん農業の機械化は北部と西部が中心となった。北部の発展は農業の労働力不足を生み、それは機械化につながり、鉄道網の拡大と共に、西部にも波及した。西部の開拓者はもともと労働力不足であり、農機を受け入れた。しかし奴隷的労働力が残っていた南部の機械化は遅れた。
アメリカ農業の機械化は、土地所有が自由だったアメリカ特有の現象だった。北部の自由民達は家族で広い土地を所有できたが、労働力不足であり、機械化の土壌を提供したのである。もともと土地に農民がついているヨーロッパならこうはいかない。機械的大農業はアメリカの特徴となるのだ。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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