ベルエポック4-石油王ロックフェラー

1870年、ロックフェラーのスタンダード・オブ・オハイオが設立された。1859年ドレークが機械掘削に成功し、地下21mから石油を掘り出した。そのときからアメリカでオイルラッシュが起こり、人と金が石油に向うことになった。当時の石油は鯨油の代わりとして照明に使われた。

ロックフェラー自身は技術者ではなく、簿記を学び経理出身である。彼は化学者を雇うなどして効率的な石油精製を達成し、買収によって規模を拡大しつつ、石油会社とカルテルを組んで、ペンシルヴァニア鉄道に運賃割引を認めさせ、安価な料金で全米各地に運んでいった。

その後も石油会社を買収し、1,870年代末にはアメリカの石油の90%を精製するようになった。またタール、塗料、チューインガムの原料などの石油製品もつくりだし、輸送手段としてパイプラインも開発した。そして82年にスタンダードオイルトラストを設立、こうした産業独占がアメリカの急速な発展の原因である。

ロックフェラーは、産業独占は弱者を吸収することで救済し、より効率的なビジネスを実現するための手段として考えていた。しかし1890年にはシャーマン反トラスト法が成立して、34社に分割されたが、今度は一般投資家が株を買いやすくなって、スタンダードオイルの金融資産はさらに拡大する。

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。