1871年イギリスでロイズ法が制定された。世界最大の保険市場のシステムが制定されたのである。1688年にロイドが開いたのは実はコーヒーハウスでここに貿易商や船員が集まり、店主のロイドはサービスに海事ニュースを出した。次第にこの店は保険ブローカーの集まってビジネスをするようになる。
実際当時の航海業はリスキーな商売、まさに一攫千金である。そのため船主は保険をかける、保険屋も何人かが集まってこれまたリスクを分散する。こうしたシステムがイギリスを海洋王国にしたわけだ。そして1720年の南海バブル崩壊事件以来、このコーヒー店は王立取引所に移った。
ロイズ法によってロイズは保険組合となり、合法的存在となった。そして19世紀欧州列強が皆植民地競争をしてアジア、アフリカに乗り出した。海上交易が当たり前の時代になったのだ。そのときそのリスクをヘッジする能力のあるロイズは大きく力を延ばした。
1870年頃からイギリスは世界最大の工業国ではなくなってくる。しかしそれに代わるのが金融業であり、その中心は海事保険だった。交易があるかぎりロイズに金が入ってくる。さらにエジプトのように、金がまわらなくなるとその国を管理していく。イギリスは金融帝国主義に変化していった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント