1867年、マルクスの畢生の大作「資本論第1巻」が発刊された。マルクスは自分の学説を近代史の中で実証しようとしたのである。マルクスは、これまでの文明発展を剰余価値の蓄積として示す。ところが近代資本主義の対等な商品交換から剰余価値が発生する仕方を、労働力に見出す。
労働者が労働力を資本家に売って賃金を受け取り、それを資本家が使って剰余価値を得る、その剰余価値を大きくする方法を事細かに解説している。資本が金となることで限りなく増大し、拡大した投資と消費の矛盾はやがて恐慌となって爆発する。マルクスはこのサイクルを示した。
資本主義が世界に拡大して爆発した恐慌の威力は、最近のリーマンショックがまざまざと示した。マルクスは経済が刷新する仕組みとして暴力をあげているが、これは第二次世界大戦で示されたといえる。リーマンショックの後、世界は明らかに戦争に近づき、ロシアと西側が戦争している。
マルクスが考慮しなかったファクターは地球である。人間は地球の蓄積を使うことで発展してきた。そして今地球という制限にぶつかっている。だが、マルクスの考えたように生産力を制御して皆幸せになる社会となるとは限らない。AMAZONのようにAIを駆使した一部の人間が世界を支配する専制的な未来もありうる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント