1868年イギリスの文献に初めて「パブ」という名前が登場した。居酒屋としての伝統は古く11世紀からある。しかし19世紀には「パブリックハウス」として街中の社交場としての機能を持っており、それが詰まってパブとなった。今日でもパブでサッカーの中継観戦に名残を留めている。
パブは19世紀に労働者達が都市にあふれ、飲食を持ち込んで交流する会場だった。その2階には純然たる会合のスペースが設けられていた。階級社会であるイギリスは、中流ブルジョア層は入口も別で、立派な調度が置かれていた。そして19世紀も中ごろになると酒を専門に出すようになり現在のパブができた。
そうなると労働者は日ごろのうっぷんを酒にまぎれて晴らし、泥酔やケンカが横行するようになる。18世紀に度数の高いジンができると、手っ取り早く酔えるこの酒は労働者に大流行する。実は大陸ではイギリス人のイメージは酔っ払いだった。ここでも階級社会で、上流階級はワインを飲んでいた。
さすがにこれは放置できず、ヴィクトリア女王自ら「アンチスピリット運動」を行った。そして72年からパブでアルコールを売る時間に制限をかけようとした。ところが当時は国の標準時というものがない。そこで議論のあげくグリニッジの王立天文台を標準時にすることで決着するのである。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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