ゲティスバーグの戦いの2カ月後の1863年11月19日、リンカーンは「人民の人民による人民のための政治」という言葉で知られるゲティスバーグ演説を行った。実にこれは戦死者の追悼演説である。彼はこの演説でこの戦いが内戦ではなく、自由のための普遍的な戦いと意義づけた。以来アメリカの戦争演説のモデルとなる。
戦況といえば、南部連合の封鎖「アナコンダ作戦」が完成し、南部は綿花を輸出できなくなった。それでも南部は封鎖突破船で島まで行こうとした。突破船が成功すると多額の儲けが入り、「風と共に去りぬ」のバトラー船長は、この成り上がりである。
リンカーンには64年の選挙を控えている。62年の中間選挙は、戦況悪化で共和党は議席を減らした。ここで南部と講和するという選択肢はなかった。リンカーンは、3月9日、西部戦線で戦果をあげていたグラント将軍を総司令官に据える。その理由は戦績もあるが、政治的野心がなかったことだという。
グラントは、5月から多方向より南部全体に進攻する「オーバーランド作戦」を策図した。南部は敵を迎え撃つために、各地に塹壕を展開しており、進攻は容易なことではなかった。しかし北部は豊富な戦争産業が確立しており、志願兵も豊富だった。南部は1戦で負けてもすぐ立て直す物量作戦を目にすることになる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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