帝国の時代21-ビスマルク鉄血演説

1861年1月2日、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世が崩御し、弟の摂政がヴィルヘルム1世として即位した。その年の12月の選挙でドイツ進歩党が109議席に躍進し第一党となる。進歩党は急進的で、自由主義的立憲政治を求め、国王のすすめようとする軍部統制に反対した。

国王と議会は対立し、政府が求める予算さえ通らない。この事態に陸軍相ローンは、外交官ビスマルクの手腕に期待して国王に謁見させる。彼は議会よりも国王に忠誠を尽くすと明言して信頼を得た。彼は進歩党も小ドイツ主義によるドイツ統一を支持するところではとりこめると踏んでいた。

首相就任で張り切ったビスマルクは、9月30日有名な「鉄血演説」を行う。すなわち「プロイセンに必要なのは武力である。現在の問題は多数決ではなく鉄と血によって解決される」と述べたのだ。しかしこれは火に油というもので。議会との溝はかえって深まり、予算の可決はできなくなった。

ビスマルクは、政府は一瞬たりとも止まれない、として無承認のまま政府資金を使う。しかし議会は憲法違反としてこの決議を圧倒的多数で可決した。対抗措置として首相は、自由主義派の官職はく奪、そして言論統制を実施した。またまた1848年の再現かと思われる事態となった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。