帝国の時代19-アルバート公のXマスツリー

1861年、イギリスの女王ヴィクトリアの夫アルバート公が42歳の若さで崩御した。女王はショックでこのときから40年間公式の場で黒い服を着た、実は黒が喪服の色となるのはこの女王の行為を皆が真似たからである。女王がアルバート公と結婚したのは即位してからである。

二人の間をとりもったのは二人の叔父のベルギー王ということだが、当時17歳の女王はハンサムな公に一目ぼれをしたそうだ。アルバートはドイツ人で、ただでさえドイツ系のハノーバー朝でそろそろイギリス化してもらいたい国民はあまり乗り気ではなく、議会も17年間官位を与えなかった。

そんな経緯で、2人は結婚式から国民に愛される夫婦に見えるよう努力を重ねた。華麗なウェディングドレスではなく純白の簡素なドレスを着た女王はたちまち中流ブルジョア女性の心を捉え、白いウェディングドレスが流行するのもそれからである。彼らは貴族ではなく、大衆の時代に応えたのだ。

アルバート公は、直接政治にも関与した。ロンドン万博を成功させたのも公の力である。1840年には初めての王女が誕生し、その様子が新聞に伝えられた。そのクリスマスでファミリーと共にあったのがクリスマスツリー。ドイツの習慣でしかなかったクリスマスツリーはこうして世界の幸せな家庭のシンボルとなった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。