1860年、教皇領を除くイタリアで住民投票が行われ、サルディーニャ国王を元首とするイタリア王国が成立、翌年資産のある男性によって国政選挙が行われた。ここで歴史上はじめてイタリアが統一された。しかし長く分裂した歴史の克服は容易ではない。特に南イタリアでは。
61年6月6日、イタリア統一の立役者であり、初代首相のカブールが、50歳で急逝した。彼は最期に「イタリアは統一した、すべては救われた」と述べたという。しかし先進地域のサルディーニャの法律をイタリア全土に適応するには無理があり、その後反乱が相次ぐこととなった。
第4代首相となるルイージ・ファリーニは、統一時に国王代理としてナポリに赴任したが「なんてこった!ここはアフリカだ。ここの農民と比べれば、ベドウィンのほうがまだ徳を持っている」と言ったようだ。国政調査が行われた結果、イタリアの75%が自分の名前を書けず、シチリアでは9割にのぼった。
急速な近代化や公教育に、とりわけ南部では不信感を強めた、教皇と国家の対立が輪をかける。特にシチリアは伝統的に独立国であり、支配者が入れ替わり立ち代わり支配してきた歴史から、国家への不信感が強かった。こうした中で住民の組織としてマフィアが生まれてくる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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