近代と信仰9-ルルドの奇跡

ひさびさにここは天界。「イエス様、マリア様と聖女達が大規模な計画をしてるようで」「おおルイ9ちゃん、お母様あちこちこの頃出没してるからなあ」「私の真実を証明するときが来たのよ」「お母様何の真実?」「私の無原罪」「あ、あれはお母様が特別におねだりするから」「それは聖書に載っていません!」「あ、うるさいルターが来たから行ってくるわ」

イタリア独立問題で失望を買った教皇ピウス9世は、聖母マリアの出現の噂で、聖母信心に専心した。そして中世から未解決だった聖母無原罪、すなわちキリストを産むために、聖母が生まれたときから無原罪だったという問題を全世界の司教に問う回勅を出したところ90%の賛成を得た。

教皇は1852年6月8日に日本の26殉教者を列聖し、54年12月8日、大勅書を出し、聖母無原罪を宣言した。しかしこの教義の大きな変更は、公会議を経ずに、教皇が独断で宣言したため、カトリック外から批判を浴びた。

1858年2月11日、フランスのピレネー地方の田舎に住む14歳の貧しい少女ベルナデッタ・スピルーは、薪を拾いに出た途中にある洞窟の前で、美しい女性に出会う。その女性は、ここに通うようお願いしたので、ベルナデッタは承知した。これがカトリックを変えることになるルルドの奇跡の始まりである。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。