1852年オーストラリアのシドニーが都市として公認された。知っての通りこの地は囚人の流刑地から発展した。イギリスは、アメリカ独立後にオーストリアに流刑地を変えたのである。豪流刑が廃止される1868年までに16万人の囚人が送られた。イギリスは都市貧困者があふれ犯罪も発生した。
ケビン・ラッド元首相の先祖はドレスと下着1枚を盗んで流刑となったホームレス少年だったそうだ。この時代のイギリスではこのような子供が上流階級のハンカチ一枚盗んだだけで絞首刑になった例もある。送られた囚人は奴隷のように植民地開拓に使われた。
しかしマッコリー総督が待遇を改善し、釈放された囚人には土地を与えた。さらにジャガイモ飢饉でアイルランドを逃れた国民はアメリカと共にオーストラリアに移住した。この時代アイルランド人が3分の1を占めたという推計もある。しかし土地の開拓と共に現地アボリジニとの軋轢も増えていく。
1828年には入植地に入ったアボリジニーを自由に捕獲殺害してよいという法律が施行された。彼らは人間扱いされず、ハンティングの対象ともなった。また入植者は天然痘や梅毒などの病気をもちこみ、免疫のなかったアボリジニーはどんどん死んでいき、90%以上が減少してしまった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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