第1回十字軍22-イスラム反撃ザンギー登場

イスラム側からは少しずつ対十字軍の動きがでてきていた。1113年末、シリアの北アレッポ領主が亡くなったあと街の実力商人ハシャーブが、メソポタミアのトルコ人領主イル・ガーズィを迎えた。1119年6月28日、ガーズィはサルマダでアンティオキア軍に勝利、摂政ルッジェロを戦死させた。

アレッポは歓喜に沸き、新しいアミールを讃えたが、ガーズィは酒に溺れ3年後に亡くなった。ハシャーブはめげずに次を探し、ガーズィの甥バラクを連れてきた。彼は1122年奇襲でエデッサ伯ジョスラン1世を捕獲、救援に来たボードワン2世も捕虜にした。

しかしバラクはテュロスの戦いで戦死、捕虜の2人は解放され、十字軍国家は最大規模となった。めげないハシャーブは今度はモスルのアル・ボソキをスカウト。ところがハシャーブは、1125年暗殺教団アサシンクリードの手にかかり暗殺され、また混乱してしまう。

その混乱の中でやってきたのが、モスルの太守ザンギーだった。ザンギーは、セルジュクのスルタン、マフムード2世を反乱から守った手柄で出世し、モスルを任された。彼は十字軍に勝利し、最初のイスラムの英雄となるが、目的は自分の国だった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。