第1回十字軍17-二匹のドジョウ無1101十字軍

エルサレム「奪回」は、欧州に歓喜の声で迎えられた。1099年、ジェノバの船がエルサレムから帰り、援軍を要請すると、イタリア諸国は直ちに戦争を停止して、十字軍の増援部隊を送ろうとした。これが1101年十字軍である。ブノア伯エティエンヌもその一人だった、彼はアンティオキアの戦いで逃げ帰った男。

しかし奥さんアデルが許さない。ベッドの中でもそのことばっかだった。「ねーアナタん、今度こそ本気出して~ん」とおだてられて行くことになったがこういう場合大体失敗するのがデフォ。アキテーヌ公ギョーム9世が30万の軍勢だしたというが、さすがに吹きすぎで5万人、ともかく大軍勢に加わった。

この大軍勢はコンスタンチノープルに着き、ここに居たのが未だ領地のないレイモン4世。利用する気まんまん。ビザンチン皇帝は完全にノーサンキューで豪勢な宴会で油断させ、あのカッパドキアという何もない土地へ連れて行き、そこらを無駄に行軍させて、パンにも塩を混ぜてたと記録に書かれている。

待ちうけてたのはクルジュ・アスラーン。今度はニカエアのマリク・ガーズィと協力。この弱り果てた大軍勢をせん滅させた。イスラムが協力するようになる。エティエンヌは生き延びて、ラマラに到着したが、非情なボードワンに負け戦の殿にさせられ落命。不屈のレイモン伯も生き延びて、敗残兵を自分のものにして次の戦に向かう。さすがタフガイ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。