エルサレム王ボードワン1世。1100年11月11日に王を受諾、エルサレムを教皇領にするとと言っていた大司教ダゴベルトを脅迫して12月25日の降誕祭に畏れ多くもキリストの墓のある聖噴墓教会で王の戴冠式を挙行した。彼はもともと聖職になるはずで、「貴族よりも司教のよう」と言われた。
エデッサ伯としてはアルメニア人と結婚し、3万人のイスラム相手に守り切り、兄のようにエルサレム王という聖地守護の戴冠を躊躇しなかった。神を畏れなかったのか、神のご加護に確信していたのか。神秘性と大胆さが結びついたまさに十字軍のヒーローである。
エルサレム王としてさっそく、彼はタンクレードを主が留守のアンティオキアに派遣する。その際、3年間捕らわれのボエモンが帰ってこなければ、アンティオキアの主としてよいという承諾を与えた。残念ながらちょうど3年でボエモンは帰ってくるのだが。
それからボードワンは、沿岸諸都市の征服に乗り出し1年間で、ヤッファ(テルアビブ)、アルスーフ、を制圧した。また主要人物のうちで唯一領地を持たずに放浪中の、トゥールズ伯レーモン4世を援助して、現在のレバノンあたりの攻略に乗り出す。しかしその前に、ヨーロッパから。1101十字軍が来る。
下はメリー・ジョセフ・ブロンデル作「エルサレム王ボードワン1世」
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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