エルサレム王国はピンチを乗り越え、周辺都市を落としていった。特にタンクレード20代の若武者、他の者と違い武のみを追求して十字軍に参加し、騎士道を貫いた、北斗などで例えるなら誰だろうか?この成果で後にガリラヤ公となり、要衝ティベリアスはサラディンでも落とせなかった。
国王ゴドフロアはヴェネツィアと組んで海岸都市を攻めていったが、彼らしく周辺の農地を略奪していくので、カエサリア、アッコ、アルスーフ、アスカロンが、年貢を払うという条件で講和を求めて来て承諾した。これで結構な収入を得ることとなった。
しかし1100年7月18日、エルサレムの主ゴドフロアが急死する。病死ということだが、イスラムに毒殺されたという説もある。それによれば、カエサリアで海岸都市の領主と会見したときの宴会に毒が入っていたということだ。そして遺言で、エルサレム王は弟エデッサ伯ボードワンに決まった。
9月にはアンティオキア公ボエモンが、マラトゥヤが降伏するというので少人数で出かけていくと地方の首長ダニシメンドに捕まった。ボエモンはボードワンに救出を依頼するが、3年間虜囚の身となり、マラトゥヤがボードワンのものとなり、タンクレードがアンティオキア摂政となった。
下はゴドフロアの葬儀
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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