近代アジアの動乱4-インドのキリスト教化

他のアジア、アフリカ諸国と同じように、イギリスのインド支配にはやはりキリスト教が関与している。東インド会社役員会議長で福音主義者のチャールズ・グラントはイギリスの支配は「闇と悪徳と苦痛に沈んでいた人々に、真実の光と恵み深い力を、秩序ある社会の恩恵を、活発な産業の恩恵を与えるため」と言った。

インドには賢い人も居るのに、なぜこのように遅れているのか、それはインドが多神教に染まり、キリスト教が普及していないせいだというのである。イギリスは支配するやさっそくカルカッタ主教をつくり、インドをキリスト教化、そして多言語社会のインドに英語を公用語としてしまう。

福音主義者達は、イスラエル人が神から選ばれたように、イエス・キリストの全世界宣教の使命を神から任されたのは、イギリスだと考えた。イギリスが支配するのは神の摂理である、と。かつてスペインやポルトガルがそう考え、今はアメリカがそう考えている。

T・Bマコーリーは、血と肌の色はインド人でも、モラルや知性の面ではイギリス人にせねばならないと言い出す。やがてイギリスの支配は、現地宗教的習慣とぶつかり、インド大反乱を引き起こすが、福音主義者達は、これもキリスト教を普及しない罰だと考え、ますますキリスト教化をしようとした。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。