近代アジアの動乱3-インドの植民地化

1833年イギリスはインド総督を設置した。イギリスはガンジス川流域のベンガル州や南インドの支配をムガール皇帝から承認されていたが、支配していたのは何と東インド会社というただの会社だった。東インド会社はマラーター王国を中心とする同盟との戦争に勝利して、名実ともに支配権を得た。

しかし東インド会社のインド貿易支配は自由貿易の理念に反するとの批判が多くなり、政府は東インド会社の活動を停止し、ベンガル総督をインド総督に格上げして本国のインド庁がインドの植民地支配に乗り出したのである。東インド会社は総督の顧問機関となった。

かつてインドに繁栄を誇ったムガール帝国、イギリスも最初は帝国から領土権を認めてもらったのである。帝国はイスラムだったが、アクバル大帝はヒンドゥーとの融合をめざした。ところがその後、イスラム主義になり、ヒンドゥーとの対立が激化して衰退してしまう。

インドは他民族地域であり、古代以来各地にさまざまな小国がつくられた。インドという地名もヒンドゥーのポルトガル読みである。マラーター戦争に敗れたムガール帝国は、デリー周辺しか領地がなく、皇帝は名目上となり、イギリスから年金をもらう存在になり果てた。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。