ロベルト・シューマンは、ショパンと同い年であり、ピアノ曲などでショパンのような個人的色彩の強い音楽を作っている。彼はライプツィヒ大学の法学部に入ったが、次第に音楽に傾き、1828年に出会ったのが彼の妻になる当時9歳のクララ・ヴィークである。クララの父は娘を第二のモーツァルトにしようと英才教育を施した。
クララは父の期待に応え、モーツァルトのように12歳から欧州各地で演奏して天才少女の異名を取った。ショパンもクララに練習曲を捧げたいと言ったそうだ。そしてロベルトもクララの父にピアノを習い、どんどん音楽の道にハマっていき、30年にクララの家の住み込み弟子となった。
ところがロベルトは、31年練習のしすぎで指を壊し、ピアノが弾けなくなってしまう。同時に目の病気にもかかり、絶望のあまり遺伝的な精神疾患の様相がみられた。しかし32年には、作曲一本で身を立てることを決意し、文章的才能を生かして「新音楽時報」という音楽評論も行うようになった。
クララとロベルトは兄妹のような関係だったが、35年あたりから恋愛関係となる。しかしクララの父はピアニストくずれのロベルトとの恋愛には断固反対。なんと2人は訴訟という形で結婚しようとする。そして40年9月、2人は結婚し、クララは夫の生涯を支えることになる、うらやましい逆玉婚である。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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