第1回十字軍1-四十にして惑うフィリップ1世

どうもフランス王は女に弱い。1060年即位したフィリップ6世。真面目な王である、内政に力を入れ主膳長、司酒長、主馬長、官房長、尚書長の5大官職を制定。いわば内閣を組織したわけだが、実際主膳長は料理の手配もしていたようだ。ともかく官職を決めることで、王家は安定することになった。

また政略によって少しずつ領土を広げる。68年に家督争いに乗じて領土を占領、72年にも家督争いで、77年にはノルマンディーから、79年にも領土を増やし、歴代王の中でようやく領土拡張に成功した、フランスの中央集権の優位はここから始まったといっていい。

しかし40歳にして逆に惑うのである。王には19歳で結婚したちゃんと母子が居た。後世淫婦として名高いベルトラード・ド・モンフォール。どちらも不倫で、王は妻を修道院に送り、彼女は家を出奔。そんな結婚が認められるわけがない。当然破門されたが、十字軍を決めたクレルモン公会議だったから情けない。威光も破門で消し飛んだ。

結婚を撤回して1104年に赦されたが、教皇がまだハインリヒ4世と戦っていたという事情による。ベルトラードは愛人として同棲しており、2人の息子を生んで、イングランド王とノルマンディー公を兼ねるヘンリー1世に王太子を殺させようとしたとか悪い噂が絶えない。

下は破門されたフィリップ1世とベルトラード・ド・モンフォール

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。