1056年偉大な父のあとを継いだわずか5歳のハインリヒ4世。諸侯はここぞとばかり皇帝の力を削ぎまくる。母アグネスが摂政につくが、1062年夏、ライン河畔でケルン大司教が舟遊びに誘い、なんと公然と誘拐を謀る、12歳。彼はそれに気付きライン川に飛び込むが、随行の者が助けだした。
その後彼はケルンで軟禁状態となり、アグネスが摂政を退くと諸侯の好き放題。彼のワガママでガンコな性格はこの体験でつくられたようだ。そしてマインツ大司教の縁戚の妻ベルタと強制結婚。しかしこのベルタができた嫁で、まるで勝頼の嫁のようにハインリヒの最初の味方となっちゃうのだ。
彼は自分の与党で政権幹部をつくる。そしてオストマルク辺境伯を拘留。バイエルン大公からもザクセンの領地を没収して与党に与えた。1073年ザクセン諸侯は、皇帝との交渉が決裂して、ゴスラーの皇帝宮殿を取り囲む。ハインリヒはなんとか自分の拠点のハルツ城に逃げ、ザクセン戦争が勃発した。
さらにシュバーヴェン公、ケルテン公も反乱。1075年、ハインリヒはボヘミア公を味方につけ、ザクセン軍に大勝利を収めた。この勝利でハインリヒは帝権を固めた。だがそうは問屋がおろさない。ドイツ諸侯はローマと連絡をとりあい。そしてここぞとばかりにグレゴリウス7世の仕掛けがいよいよ始まる。
下はアントン・フォン・ベルナー作「ハインリヒ4世の幽閉」
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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