カノッサの道3-改革の鬼グレゴリウス7世

主役グレゴリウス7世。彼はトスカナの貧しい大工の家庭出身だから、粘り強さが一味違う。ローマで勉学に励み、教皇グレゴリウス6世のスタッフとして引き立てられた。教皇がハインリヒ3世に退位させられるとケルンで修道院に入った。修道士として生涯を送るつもりが、レオ9世により再びローマへ戻る。

レオ9世は真面目な教皇で、クリュニー修道院の理念で、聖職売買禁止、聖職者妻帯禁止を決定した。1056年にハインリヒ3世が崩御。帝国出身のステファヌス10世も改革を続行し、彼は帝国の重臣の次男で、まだ幼いハインリヒ4世を廃して自分の兄を皇帝にしようと画策したようだ。

続く教皇選で、イタリア貴族の支持でベネディクトゥス10世が就任したが、ヒルデブラントら改革派は、帝国に後押しをさせてニコラウス2世を擁立。そして新教皇は改革派のもとで、他の影響を廃し、枢機卿と司教のみで教皇を選出することを決定。聖職者の任命権をめぐる叙任権闘争がいよいよ勃発する。

次の教皇選では帝国の承認なく、アレクサンデル2世を選出。帝国は認めず、ホノリウス2世を対立教皇とする。しかし帝国でクーデターが起こってアレクサンデル2世を承認した。そして1073年、再三の辞退の後に、いよいよ真打ち、ヒルデブラントが教皇位につく。しかし帝国では、ハインリヒ4世が成人して親政を開始していた。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。