カノッサの道2-復讐は我に有女伯マティルデ

さて「カノッサの屈辱」第1の主人公、女伯マティルデ。父はカノッサの領主ボニファティオ、母はロレーヌの姫ベアトリーチェ。父は相当の独裁者で、狩の最中に暗殺されるが、敵が多すぎて犯人がわからなかった。母は実力者トスカナ伯ゴッドフレードと再婚。時はイタリア乱世時代野心ムンムンの男。

父は調子にのってノルマンと組んでイタリア王になろうとしたのがまずく、教皇庁のヘルプで最強の皇帝ハインリヒ4世が乗り込んでくる。とさっさと逃亡。男運の悪いベアトリーチェ。10歳のマティルデを連れて粗末な麻服をまとって皇帝に嘆願に行った。

しかし皇帝は許さず2人をドイツに連行。残りの子供2人がすぐ亡くなり、皇帝に殺されたと思った母娘は復讐を誓った。そして翌1056年皇帝が崩御し、幼い息子ハインリヒ4世が残された。父も1069年に亡くなり、家を継いだマティルデに強い同志ができる。ヴァチカン1の実力者ヒルデブラントである。

ヒルデブラントは皇帝ハインリヒ3世に追放されたとき、一時カノッサに身を寄せたことがある。今や共に皇帝に宿縁を持つ2人。マティルデはさっそうと金の拍車で白馬を駆ける女伯となり、ヒルデブラントはいよいよ教皇になり、舞台が整うというわけだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。