カノッサの道1-ノルマンコンクェストご招待

イングランドは1016年、デーン人クヌート大王が侵攻して王となっていた。この時後のエドワード懺悔王は母の故郷ノルマンディーに逃れ4半世紀を過ごした。1043年イングランド王となったエドワードは、その後も英に住むノルマンを頼り、お礼も兼ねてフランスのノルマンディー公ウィリアムを招待した。

イングランドに行ったウィリアムは、ノルマン系の人達にすっかり歓待され「ありゃここは俺達の国だったのか!」と思っても無理はない。ノルマンのベンチャー魂がムラムラと湧いてきたのである。66年エドワードが息子なく崩御した後、王妃の兄ハロルドの継承をノルマン公が待ったをかけた。

実は、ウィリアムはハロルドをノルマンディーに招待したとき、ウィリアムを後継王とすると聖遺物に誓わせていた。そしてウィリアムはついにブリテン島に向かって出陣する、ノルマンコンクェストの開始である。

彼はイングランドに着いたとたんズコーと滑ったが、「ワシはイングランドにキスしたんだ」と強弁し、そのまま在住ノルマンの助けも得て王となった。ここにフランスのノルマンディー公がイングランド王という、百年戦争まで続く因縁が始まるのである。ウィリアムはフランスへの凱旋は歓喜をもって迎えられたが、息子に反逆され、亡くなるときは埋葬にも抗議が出たとのことだ。

下はヘイスティングスの戦い

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。