北方スカンジナヴィアでもキリスト教化の波が起こっている。ノルウェーは885年にハーラル1世のもとで統一されたとされている。この王は、ノルウェーを統一するまで髪を切らないと決意して、その後髪を整えたので美髪公と呼ばれている。戦士の一部がベルセルクだったという伝説もある。
そのひ孫のオーラヴ1世はポーランド王の娘婿となり、皇帝オットー3世と共にデンマーク、ノルウェー連合軍を打ち破り、キリスト教に改宗させた。彼はその後妻が亡くなり再び海賊となり、預言者の言葉に従って改宗し、略奪をやめ、アイルランドに住んだが、異教に戻ったノルウェー王がデンマークに攻撃され、ノルウェーに戻り王を殺害させてノルウェー王となった。このあとスウェーデン王オーロフも1008年にキリスト教の洗礼を受ける。
続くオーラヴ2世は聖人、聖オーラヴはノルウェーの統一とキリスト教化をすすめたが反発する貴族が、デンマークのクヌード大王と結託して征服された。彼はキエフに逃れ、再起を図るも敗北して死去、その子のマグヌス1世が王位を回復した。
デンマークはクヌード大王の死後、国が混乱し、聖クヌード4世が、キリスト教化を推進するが、1086年反対する貴族によってオーデンセで殺害された。ちなみにここはアンデルセンの生誕地で聖クヌード教会で彼は洗礼を受けている。スウェーデンのエーリク9世聖エーリク、デンマークの聖クヌード、ノルウェーの聖オーラブの3人は北欧3国王聖人と呼ばれている。
下は聖クヌード教会にあるアンデルセン公園に立つアンデルセン像
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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