神聖ローマ10-アルプスの少女は聖皇后

「教えてーおじいさん♪」「よく聞くんじゃ。お前の洗礼名は今から話す何と皇后様と同じ名なんじゃぞ」「えっハイジ知らなかった!」ザクセン朝は二代続けて奥様は聖女。だがオットーの二度目の妻アーデルハイトは孫の代まで政権に協力するのである。

彼女は、イタリア王ロターリオ2世と結婚したが、王はベンガーリオ2世に毒殺され王位を簒奪された。その上毒殺者の息子と結婚を強制されたが、拒否って4カ月幽閉され、脱出したところをオットーに救われ、それが縁で2人は再婚する。アーデルハイト20歳、オットー39歳。

オットーの戴冠では自分も皇后として異例の戴冠、イタリア遠征に同行するなど内助の功ではなく文字通りパートナー。973年の夫の死後は宮廷でも影響力を持ち、983年にイタリア副王となっている。息子オットー2世が急死し、991年に皇后も亡くなると、摂政として、孫のオットー3世を助けた。

皇后は若いときから敬虔な教徒として慈善活動に熱心だったが、995年に政治から引退すると改革派であるクリュニー修道院を援助した。晩年は、創建したアルザスのセルツ修道院で過ごしたが、反乱に苦しむ甥のブルグント王ルドルフ3世の援助に赴こうとして帰天した。♪アルプスーの少女アーデルハイド♪

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。