神聖ローマ11-ケルンの秀長聖ブルーノ

ケルンを最初に造ったのは、あのネロの母として有名な悪女アグリッピナ、彼女の別荘だったそうだ。それからローマ皇帝コンスタンティヌスの命で、最初の司教マティルヌスがケルンに聖堂を建てた。面白いことに伝説では宣教を命じたのはあの使徒ペトロ、まあそのほうが箔がつく。

そしてオットー大帝の時代、政権ナンバー2の弟がケルンの大司教聖ブルーノとなった。それだけでなくブルーノは、一時期西フランクの後見役となり、カペー朝成立までの動乱期を見守った。オットー大帝がイタリア遠征のときはドイツの統治を代行、なんでも政権はナンバー2で決まるもんだ。

大帝は、ブルーノに貨幣鋳造、税金などの特権を与え、ブルーノの時期に、ケルンの繁栄は確定し、今日までの基礎を築いた。ケルンには文化人が揃い、知的、芸術的中心地となった。この時期を「オットー・ルネサンス」と言われる。

そしてブルーノは、ケルン大聖堂を拡張、なんと当時のサンピエトロ大聖堂に匹敵するまでにしたという。残念ながらこの大聖堂は1248年の火災で焼失し、そのあとに建てられたのが現在の大聖堂である。

下は赤く映える聖ブルーノが建立した聖マルティネス修道院と現在のケルン大聖堂

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。