神聖ローマ8-初代皇帝オットーの逆転勝利

神聖ローマの祖となった偉大なるオットー大帝だが、その前半生たるや苦難の逆転人生である。すでに結婚して子が居り国を近親者で固めた。が、950年イタリアの前王妃アーデルハイトが助けを求めてきたとき、息子ロイドルフが「オレの力を見せてやる!」と勝手にイタリアへ侵攻した。

オットーは追いかけて遠征を成功させたが、息子はお叱りを受けた。あまつさえ、前妃を亡くしてヤモメだったオットーは、アーデルハイトに惚れてしまい、翌51年両人は再婚。さらに52年に子供が生まれると父は腹違いの次男ばかりかわいがる。さすがに面白くない長男は娘婿コンラートと53年反乱に及んだ。

この反乱は、オットーの近親重視を嫌う諸侯が参加、そしてマジャールも侵入し、大大大ピンチとなった。ここで今や頼れる片腕となっていた弟ハインリヒが一計。「反乱軍がマジャールと連合した」とアピールすると、諸侯は離れ、長男と娘婿は捕えられて、蟄居幽閉の身となった。

955年、反乱軍はかたづけたがマジャールが残っている。オットーはレヒフェルトで迎え打つがオットー8千人VSマジャール1万7千人。このピンチに蟄居中の娘婿が馳せ参じ、命をかけて勝利に導いた。まさに危機一髪逆転人生のオットーだが、この勝利で政権は安定し、その名声は欧州に轟いた。

下はレヒフェルトの戦いのオットー大帝

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。