ヴァイキング8-ブリテン島侵攻とデーンロウ

ノルマンコンクェストは有名だが、この時期ヴァイキング達が最も侵入を繰り返したのはブリテン島である。デンマークに住んでいたデーン人は、836年からブリテン島に侵入、866年には東部ケンブリッジを拠点として、867年には北部のヨークを陥落させ、ノッティンガムを支配、ウェセックス以外のアングロサクソン王国を滅ぼした。

アングロサクソン王国で残ったのは南西部のウェセックスだけだった。873年デーン人はロンドンを陥落させ侵攻したが、ウェセックスを守るのは名君アルフレッド大王。878年、エサンドゥーンの戦いで、デーン人を撃破する。

886年にはついに大王はロンドンを奪回し、ここで和約を結んでデーン人の住む地域を決めたのが「デーンロウ」である。この地域には、アングロサクソン人も住んでいたが、起源は同じゲルマン系で、言葉も習慣も近く、農民となったデーン人は、改宗して共存し結婚も行われた。

しかしこれ以後も、デーン人、ノルウェー人は度々ブリテン島に侵攻し、1016年にはデンマーク王クヌート1世がエドマンド2世を戦死させ、ついにノルマンとしてイングランド王の地位についた。クヌートは、デンマーク、ノルウェー王も兼ね、3カ国に渡る北海帝国を短期間ではあるが築いたのである。

下左の青い部分がデーンロウ、右はクヌート大王の戴冠

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。