ヴァイキング5-パリ水上封鎖と肥満皇帝

皇帝シャルル2世の子ルイ2世の死去で、3人の息子に西フランクは分割された。が、病気や死亡でこのうちにカール3世が879年にイタリア王、881年に東フランク王、884年に西フランク王となり、なんと彼が幸運にもあっさりカール大帝の帝国を統一しちゃうことになった!、ひょっとしてラッキーマン?

しかし彼は「肥満王」と言われるくらい太ってて、おまけにてんかん持ちときた。あの壮健だったカール大帝の子孫がどうなっちゃったんだろうね?そしていよいよ884年にノルマンの大規模なパリ侵攻が開始される。このときは大きい船700隻と無数の小舟がセーヌ川を埋め尽くしたと当時の記録に伝えられ、その数4万人ということだ。

パリの中心はノートルダムがある中の島「シテ島」だが、そこへ渡る橋のたもとの塔をめぐって凄まじい攻防戦が繰り広げられた。セーヌに何千もの溶けた鉛が落ちたというから、見てる分には美しかっただろう。

パリ防衛軍はシテ島は守ったが、サンジェルマン・デ・プレ修道院は略奪され、包囲された。そこへさっそうと救援に来たのがシャルル3世だが、彼は大金の立ち退き料を払ってかんべんしてもらった。ところがノルマン勢はパリは勘弁してやったが、セーヌを遡ってその上流のサンスに襲いかかった!こうしてセーヌ河畔の街は次々とノルマンの餌食となっていった。

下はノルマンのパリシテ島包囲

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。