今やヨーロッパから初めてアメリカに到達したのがノルマンであることは確定したと言っていい。しかも最初は偶然だろうが、その後何回か通って上陸したこともわかっている。なぜそんなところに行く気になったのかといえばそれはもう「そこに海があった」としか言いようがない。
スカンディナヴィアは、中央が高い山と森に阻まれ危険だった。交易は沿岸部を通じて行うしかなかった。そうして発達したのがあの美しいヴァイキングシップである。この船は軽くて丈夫なオークの木を使い、なんと1000個もの部材でできているそうだ。
波の少ない地中海はオールで漕ぐが、風が洗い北海のノルマンは主に帆で航行し、帆柱の高さは10メートルほど。オールは補助だが、オール受けがあり、そのまま格納できるようになっていた。実際同じ船を使ったところ1か月ほどで大西洋を横断できたとのことである。
ノルマンは北は北極圏のスヴァルバール諸島にまで到達し、南はジブラルタルをまわって北アフリカ、さらにシチリアをイスラムから奪取して国をつくっている。東はドニエプル川を通って黒海に出てコンスタンティノープルに到達、一方でヴォルガ川を通ってカスピ海に出て、そこからイスラムやペルシャにまで到達している。この範囲はアレキサンダー、イスラム、モンゴル帝国をも凌ぐ広さである。船を使うのがいかに便利かということだろう。
下は初めてアメリカ大陸に到達したといわれるアイスランドのレイク・エリクソン像
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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